バックアップ電源の考察

底面基板についていたバックアップ用2次電池は、劣化と腐食が気になったので既に撤去しました。
代替品として相当品を付け直すという方法が正規だと思いますが、復活後、そんなに本気で使うつもりではないので、
もっと入手が容易な代替品で済ませたいと思います。

バックアップ回路の役割り

X68000のバッテリーバック回路の役割りは、機能面から推定すると、各種設定を保持するスタティックRAMと、
時計の維持だと考えられます。
コンピュータ起動中はもちろん、主電源が生きている間は100Vコンセントの電源を使えばよいはずですが、
背面の主電源スイッチを切ったあと、バックアップ電池の電力を使って、しばらくの間、
これらのICや周辺を維持していると思われます。

従って、コンセントを挿して主電源を入れておけば、バックアップ電池は必要ないかもしれません。
しかし、これから何度も分解、調整するたびに、SRAMの内容が消えるのは鬱陶しいので、
主電源を切っておいても内容が維持できる程度の給電方法を考えてみます。

さて、前置きはともかく、ニッカド電池を取り除いた場所に何か電池を挿せばよさそうなので、
まずはこの端子の電圧がどのようになっているか、テスタ調べてみました。

本体背面の主電源スイッチが入っている状態だと、4.59V出てきています。
本体の電源回路から充電のために供給されているものです。

ここで、主電源スイッチを切るとどうなるかみていると、みるみると電圧が下がっていく様子が見られます。
おそらくですが、基板上のコンデンサなどに若干電気が貯まった状態になっていて、
バックアップ回路が電気を消費していくにつれて電圧が下がっていく、という状況だろうと思います。

4.6Vあった電圧は、3分ぐらいで1.5V程度まで落ちていきました。
落ち方のペースは時間とともに遅くなりますが、1時間ぐらい放置すると、ほとんど抜けてしまうのではないかと思います。

コイン型電池

ACEの次世代にあたるEXPERTの基板からは、バックアップ電池には2次電池ではなく、
CR2450というコイン型リチウム電池が採用されているそうです。

このコイン型電池は、パックアップ用途専門の長寿命のものらしく、
近所のホームセンターなどで容易に購入できるものではなさそうです。

ところで、3.3Vのコイン型電池でバックアップするという方法は、PC-AT互換機のマザーボードでも
良くみられる方法で、その場合、CR2032という、百均でも手に入る電池が使われています。

そこでまずは、CR2032をバックアップ電池の代用にしてみたいと思います。

注意しなければいけないことは、この電極は本来ニッカド充電池が付いていた場所なので、
主電源が来ているときは、充電しようとされるということです。
ここに不用意にリチウムコイン電池などの一次電池(使い切り電池)をつないではいけません

こういう時には、電池側に電流が逆流しないように、ショットキーバリヤダイオードという部品を
電池と直列につないでおくと良いようです。管理人は、"1S10"という秋月電子などで購入可能な
ものをつないでみました。

この時の、主電源を切ってからの電圧降下ですが、やはり4.6Vぐらいから落ちていきますが、
当然ですが、リチウム電池の出力電圧である3.3Vを割ることはありません。
これなら、メモリや時計を維持することができると思います。

電気2重層コンデンサ

「バックアップには電池」という固定観念があったのですが、いろいろ調べてみると、
大容量コンデンサに電気を貯め、電源が失われたときに代用する、という方法もあるようです。
ニッカド充電池などの2次電池と構造的に異なり、経年劣化しにくいというメリットがあるそうです。

せっかく分解したついでなので、試しにこれがACEのバックアップ用に使えないか実験してみました。
今回使用した電気2重層コンデンサは、ELNAというメーカーの5.5V,1.0F(ファラッド)のものです。
やはり、秋月電子で購入できます。

これは、充電も放電もさせたいのでダイオードを挟まず、今までニッカド電池がついていたところへ
そのまま置き換えるように接続します。

この状態で、端子電圧をはかってみると、主電源を入れた時、最初は0.3V程度になっていて、
徐々に電圧が上がっていきます。1時間ぐらい放置しておくと、4.0Vぐらいになっていました。
開放時の電圧は4.6Vぐらいでしたので、そこを上限に充電完了するはずです。

主電源を切ったあとの電圧変化ですが、やはりテスタを当てて観察してみると、
最初は4.14V、5分後に4.06V、10分後で3.98V、15分後で3.93V、60分後で3.59Vという具合に、
ゆっくりと放電していく感じになりました。この後も、毎分0.01Vぐらいずつ降下していく感じです。

このペースだと、基板交換作業でしばらく主電源を落とす程度の時間なら、
なんとか持ってくれそうです。
(追記:あくまで実体験に基づく報告で保証できませんが、1晩たっても時計は狂いませんでした。)

まとめ

とりあえず、バックアップ回路の電圧に関しては、入手性が困難なニッカド充電池もしくは
その後継のニッケル水素充電池を使う代わりに、リチウムコイン電池で保持できそうな感じです。
EXPERTなどで使われている大きなものでなくても、ホームセンターなどで容易に入手可能なCR2032で、
しばらく持ちそうです。

管理人のように、何年かに1回、X68000を復活させてみたく、動作確認できれば満足程度であれば、
バックアップメモリの内容については消えてしまっても惜しくありませんので、
いじっている期間中、再設定の手間を省くために、電気2重層コンデンサを付けておけば十分かもしれません。


トップページへ

Copyright©2014 甘亀庵管理人

inserted by FC2 system