カビが生えたフロッピーとの奮闘記

保管状況にもよると思いますが、フロッピーディスクにはカビが生えます。

カビが生えたフロッピーは、大概正常な読み込みができないようです。
詳しい原因はわかりませんが、フロッピーディスクの仕組みから推測すると、
磁性面上にカビの被膜ができることにより、読み込み時にドライブのヘッダとの間が離れ、
磁性状態の変化を正しく読み取ることができないという状況が発生しているようです。

しかし、目視できるカビについてはとりあえず物理的に除去して、
なんとかデータだけバックアップしたい、というニーズがあることは、
古いパソコンを今もお持ちの方であれば、ご理解いただけると思います。

本コーナーでは、管理人が試した方法について今後の参考のために整理してみました。

読み取りエラーの把握

X68000のフロッピーディスク全体を読み込むのは、この期に及んでは、
エミュレータex68に付属されているREADFD.Xでディスクイメージを作成するときです。

正常なディスクからイメージを作成するときにはこのソフトで十分なのですが、
困ったことに、READFD.Xではカビなどにより読み取り不良があった場合、リトライ動作はしますが、
結果的に正常に読めなくてもディスクイメージを作成して終了してしまいます。

読み込み中、ドライブの動作音を聞いているとリトライ時に唸り声が聞こえるので、
それで不良ディスクを判断できなくはないですが、もう少し確実な手段が欲しくなります。

そこで、読み取りエラートラックの有無を調べるプログラムを作ってみました。
トラックごとに_B_READを実行し、戻り値を表示するプログラムです。

XDFファイル作成支援ツールのソースコード

通常の問題のないトラックを読み込んだときの_B_READの戻り値は、$000000xxか$040000xxです。
xxのところはトラックごとに01から4Dまで1つずつ増加します。
また、最初の0か4のところは、読み込みヘッドアドレス(表裏)です。

それに対し、怪しいトラックを読んだときの戻り値は、何枚かた試してみましたら、
$402020xxでした。Inside X68000によると、
・最初の4は、IC=01:異常終了
・次の2は、DE=1:ディスク上のIDやデータにCRCエラーを検出
・その次の2は、DD=1:データのCRCエラーを検出
を表しているそうです。

他に、一部の同人ソフトなどに、未使用トラックをフォーマットしていないものなどもありました。

ともかく、000000xxか040000xx以外が返ってきたら読み込みに失敗していると判断してよさそうです。

読み取り穴からカビを探す

読み取りエラーとなったフロッピーの処遇として、センターホールを指で回して、
ヘッドが当たる穴から磁性面を観察し、カビらしきものを探しては取り除く、という方法を試みました。

エラーを検出したものについて、2桁目が0のものは裏面、4のものは表面であることと、
トラックは外から中に向かって番号が増えていることをもとに、不良箇所の絞り込みができます。

なお、不良が発生する多くのディスクでは、読み取り面のどこかだけでなく、
センターホール周辺にもカビが生えていることが多いので、ディスクドライブに差し込む前に、
一通り見ておいた方が良いと思います。

無水アルコールで洗う

5インチフロッピーディスクは、黒いディスケットの中に白い布のようなもので
磁性リングをサンドした構造です。
カビを物理的に洗浄するのに水をしみこませた綿棒などでこすりたいところですが、
この白い布が水分を吸うと乾きにくく、また余分なトラブルの元になりそうです。

そこで奮発して、薬局へ行って「無水エタノール」という薬品を購入してきました。
500ml入りで1380円でした。消毒用の70%くらいのアルコールと比べると高価です。

これを百均で買った霧吹きに入れ、磁性面上のカビに直接吹き付け、しばらくしみこむのを待ってから
綿棒で軽くふき取るようにすると、見た目だけはきれいに除去出来るものと、全然効いてないもの
があるようですが、多少薄くなってることを期待したいところです。

無水エタノールは速乾性が高いのですぐに揮発してなくなりますが、風通しの良いところで
作業しないと酒臭いと言われるかもしれません。

注意すべき点として、カビが取れないからと言って力を入れてこすると、
磁性面まで剥げてしまうことがあります。
こうなったら、実機で読み込むまでもありませんので即ゴミ箱行きです。

まとめ

清掃したものを実機で読み取らせてみた結果は、半分ぐらい正常に読み込めるように
なったかな、という感触です。

カビの繁茂が激しいものや、上の方法ではカビを見つけられなかったものについては、
ディスケットをハサミで開封し、中から磁性面を取り出してきて全体をふき取ってみました。

しかし、このような大がかりな外科的処置にもかかわらず、残念ながら救済できたフロッピーは
ありませんでした。カビ以外の要因で磁性面に傷がついたか、
または記録内容が破損してしまっていると思われます。

大方の所有フロッピーのXDF化を済ませて得られた教訓としては、

  1. 読み込ませる前に、まずセンターホール周辺をチェックすべし
  2. 磁性面のカビには、無水アルコールを吹き付け、10秒ぐらい染み込ませてから綿棒でふき取る
  3. 少しぐらいカビの組織が残っていても正常に読み取れることがある
  4. 逆に、無理してこすると磁性面を削ってしまい、どうにもならなくなる場合がある
  5. 見た目にきれいにしても、なおエラーが出るディスクについては、さっさとあきらめた方が良い

また、別ページに拙作のXDF化ツールをソースコードの形式で公開してみました。
わかる人にしか使い道がないですし、わかる人なら自分で作られるかもしれませんが、
X68000実機およびエミュレータを使われている皆様のご参考にしていただければ幸いです。


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